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特集:ネロリの里・水俣からの甘夏だより〜国産オーガニック化粧水ができるまで

ネロリの里・水俣からの甘夏だより〜国産オーガニック化粧水ができるまで


「ネロリ花水」。この商品を知ったときには目からうろこでびっくりしました。
国産で!オーガニックで!化粧品が?
化粧品といえば、パッケージに書いてある「全成分」のところに化学的な物質がずらずらと並ぶのが当然と思っていましたし、オーガニックコスメといえば、海外製品というイメージもありました。

国産オーガニック化粧水。
いったいどんな人が、どんなふうに作っているのでしょうか。
メーカーの代表である森田恵子さんにインタビューをさせていただきました。

〜もくじ〜

1. NPOの交流活動から自然と生まれた、ネロリ花水

ネロリ花水・甘夏花水 2. 無農薬甘夏の花を手摘み

3. 資本主義ではない経済、会社、資本のまわし方を見つけたい

4. 思いを伝えられる商品にしたいと格闘しています

5. 夢は、水俣が「ネロリの里」と呼ばれるような地域になること

1. NPOの交流活動から自然と生まれた、ネロリ花水


熊本市内には、江津湖って言われる、湧水が出ている湖があるんです。冬は水鳥がいっぱい来てとてもきれいなところで、市内に湧水の湖がある都市なんて、日本でも珍しいんじゃないかなと思います。

森田恵子さん<ネローラネローラ花香房代表 森田恵子さん→>


-----熊本って、結構都会ですよね。東京なんかと比べると人は少ないんでしょうけど、膳(Zen)の事務所がある遠賀郡水巻町にくらべると、すごい都会なイメージなんですけれど、そんな素敵な湧水のある湖なんていいですね。


そうですよね。湧水ですから冬は温かく夏は冷たいから子供たちの人気のスポットで、5月ぐらいからすごいみんな、お休みのたびにこどもたちが集まっています。私の甥っ子たちも春になるとザリガニ釣り。よく駆り出されます。上手ですよ!

実は江津湖ってやっぱり 湧水がすごく豊なんですけど、それでも、20年前ぐらいからすると半分ぐらいに減っちゃったんですね。


-----水が半分に!?


そう、水が。住宅の影響だったり、 いろんなことが考えられるんですが、「江津湖を守る会」というのがあって、自然保護の運動の中心でもあるんですよ。

私は熊本に20年前ぐらいに帰ってきたUターン組なんですが、ちょうど1990年、アースデーが始まったころですね。その事務局を最初から5年ぐらいしていて、そのときに「江津湖を守る会」の人たちといっしょに江津湖の清掃や、こどもたちのプログラムを一緒にやっていったんです。


----- アースデーは、今や大きなイベントごとになっていますが、その初期の頃の事務局をやっていらしたんですか。そういう自然保護活動から、今のネロリ花水の商品につながっていったんですか?


保護活動というわけではないんですけれども、自然を通じていろんな交流活動をしていて。その中で水俣の問題は熊本でも大きい問題ですから、フィールドワークをしながら、水俣を訪ねたり、逆に来てもらったり、そういうことを10何年かやってきたんですね。


-----なるほど。自然を通じた交流活動から、熊本といえば水俣ということで、水俣の人とつながって行ったと。


そう。もう一方で、国際交流活動も私たちしていて、そういう中でモロッコに住んでいた方が、モロッコではみかんの花で化粧水を家庭で作っているというお話をして。水俣には無農薬の甘夏栽培がさかんだから、せっかくなら無農薬で自分たちでも作ろうよ、となって。最初は商売しようと思っていなくて、楽しんで交流しようと始まったのが今に少しずつ、つながったという形です。


-----自然の中での交流活動と、国際交流活動が上手くミックスされてつながって、無農薬甘夏の化粧水という形につながっていくんですね。


2. 無農薬甘夏の花を手摘み


甘夏みかん 花摘みの様子 -----先日、森田さんから甘夏みかんの花摘みツアーのお知らせをいただきました。ネロリのパンフレットにも、花を摘んでいる人の写真が掲載されているんですけど、甘夏の花を全部手で摘んで、選別するんですか?


そうですね、やっぱり穫るときにいろんな屑も入ってくるからですね。花を摘んだり、選別したりするのは全部手作業ですよ。


甘夏みかんの花 選別の様子 -----手で一個一個摘んで、さらに選別となると大変ではないですか?


いえ、そうでもないんですよ。甘夏の花って、一つ一つがけっこうぽってりした花なんですよ。みかんの花って、かよわい感じで思ってるかもしれないんですけど、近くに寄ったらけっこう厚くて大きいんです。

ですから1キロとるのに、私なんかだったら早いので30分ぐらい。慣れてなくても1時間で1キロぐらいとっちゃうんですよ。

-----そうなんですか。1キロの花から、ネロリ花水の原料となるフローラルフォーターが何リットルか蒸留できるという感じなんですね。


すごい効率がよいというか、香りが強いんです。山じゅうがむせかえるような香りだから、蒸留してもそれがたっぷりつまっています。


-----でも、花をとってしまうと、本来の目的の実である甘夏がならなったりしないんですか?


ところがですね、みかんの木はとても強くてですね、そういう風にして生き残ってきてるんだと思うんですけど、食べる実の10倍ぐらい、お花がつくんです。
みかんって1つ1つ重いんですよね。小枝に一つずつしかならないんですけども、そこに10倍ぐらい花がつくんですね。で、自分でどんどん落としていくんです。1段階目は花を落として、2段階目は小さな実を落として、夏ぐらいには人の手で摘果していくんだと思います。それまでは自然にどんどんいい実を守るために落としていくんです。
今まで自然に落ちてた分を頂くというかね、せっかくの香りだから。

甘夏みかん

3. 資本主義ではない経済、会社、資本のまわし方を見つけたい


-----ここまでのお話をうかがって、当初は「楽しんで交流しようと始まった」ということでしたが、どうしてこれを商品化しようと思ったんですか?


最初はとってもいい香りだし、5月はとてもいい季節だから、たくさんの人が水俣にきてくれるきっかけになればいいね、とやってたんです。私たちと同じように、オレンジフラワー水を作ろうという人が水俣に来るようになるといいなと話していました。

その後何年か中断してしまったんですけど、そのあと誰も甘夏でオレンジフラワー水を作ろうとする人がいなくて、「誰もしないの〜?」という感じで、このままではもったいないなと私が再度挑戦することにしたのです。


-----そうなんですか。商品化というか、何かものを作って売る。しかも化粧品となると、ものすごく決意がいるというか、おおごとな感じがするんですけれど、森田さんは今までそういうご経験があったんですか?


いえいえ、商売というのはほんと初めてなんです。なので、今指導してもらっているところってほんと商工会議所だったり、県の産業局だったり、という感じなんですね。既存の…というと失礼かもしれませんが、志ある中小企業診断士の方だったり。

そういう方々は、もちろんこの(事業の)意義とかもすごく分かっていただけて、いいアドバイスも頂いているんですけど。私は今までの商売とかじゃない、やり方、見方というのがあるはずだと思ってるんです。


-----今までのやり方じゃないというとどういうことですか?


たとえば、こないだマイケル・ムーア監督の「キャピタリズム」を見て。その中にいわば労働者とほんといっしょにつくっている工場とかでてきますよね。これからの(事業、社会の)在り方のヒントになるようなものがほんのちょっと出てくるんです。そういう、資本主義とは呼べない、違う経済のつくりかた、会社のありかた、あるいは資本のまわしかた。そういうのを勉強したいんです。

素材もモノも体に環境によいものを出していっても、商売の仕方が今までと同じだったら どれだけ社会に役立つのかなと不安になるんですけど、その違うモデルになるものができないかな、と。そのモデルを私はスロービジネススクールで勉強させていただきたいなあと思っているんです。


-----そうですね。確かに、「いのちを大切にする仕事」=スロービジネスを学ぶ学校なので、既存の経済社会とは違うものを求めている人がたくさん集まっているし、すごく勉強になりそうですね。森田さんと同じような思いで起業している人もいらっしゃいますし。


4. 思いを伝えられる商品にしたい


-----今、悩んでいることってありますか?


会社や会社を構成するメンバーの、気持ちや志や希望の全部を反映させるにはどうしたらいいかな、カラーを打ち出すにはどうしたらいいかなと、サイトやパッケージにしてもメッセージを伝えるにはどうしたらいいかなというのが、今年の課題になってます。

化粧水の成分についても同じですね、やっぱり思いを伝える様な成分にするにはどうしたらいいか、商売としてももちろん成り立たなくてはならないんですけど、それが全部伝わっていくにはどうしたらいいか。
瓶をとっても、瓶からこれは本当に体のことを考えているんだと思えるようなデザインにするとか、パンフレットにはメッセージがのせたりとか、環境のことを考えようとか。全体の作り方。メッセージの出し方で、商品の存在意義みたいなのが出てくるんじゃないかなと思うんですね。こういう商品があってよかった、出会ってよかったと思ってもらえるような。

イメージだけじゃなくて、ほんとうになんかすべて新しいことをやっていける、伝えていけるものにできないあかなと思うんですけど。


5. 夢は、水俣が「ネロリの里」と呼ばれるような地域になること


-----今販売されている「ネロリ花水」は、3千本限定なんですよね。これはお花の都合とか、そういうことですか?今後はもっとたくさん作っていかれる予定もあるのですか?
そうなったら、お花を手で摘むという作業は難しくなっていったりするんでしょうか。



いえいえ、お花は手で摘むしかないので、手作業は必須ですよ。今年の5月はもっとたくさんの花を摘んで、5千本〜1万本くらいは製造したいなと考えています。


-----今の2倍か3倍ですね。


そうですね。でも適正規模というのは今から考えながらやっていこうと思っています 。一応、5年後には(ネロり花水に換算すれば)2万本ぐらいの規模にはもっていきたいなと思っています。ただネロリ花水だけではなくて、オイルだったり石けんだったり考えてますので、全体としてですね。


-----そうしたら、この地域とつながり、売り手も買い手にも良い、未来世代にも希望を残せるスロービジネスに関わって働いて暮らしていける人が何人か増えるということなんですね。


そうですね。私たちがわりと順調に始められたのは経済産業省がやっている『農商工連携事業』の認定を受けたからなんですね。
その趣旨というか、私たちの趣旨もそうですけど、会社として成り立つだけではなく、水俣という地域にプラスアルファの収益や事業を起こすきっかけをつくりたいというか。


ある意味それが目的かな、水俣地域のプラスアルファになる、次の産品をつくったり。ブルガリアがローズの谷と言われるところがあるように、水俣地域がネロリの里と言われるような感じにしたい。ネロリのケーキがあったり、カフェがあったり、そんなふうなイメージです。


-----なるほど。

甘夏みかんの花
水俣の若い人たちが夢を広げてもらえるような、実際参加してもらってるんですけどそういう事業にできたらなと思っています。


-----今度4月の末と5月に、このネロリ花水になる甘夏の花摘みツアーがあるんですよね。


そうなんです。
4月29日(祝)、5月2日(日)、4日(木)に水俣の無農薬甘夏の花を摘むイベントをします。ぜひ、水俣にいらして甘夏の香りを直接楽しんでください。


<ネロリとは?>
ネロリとは、ビターオレンジ(橙みかん類)の花から、水蒸気蒸留でフラワーウォーターを作る際に、副産物として得られるエッセンシャルオイル(精油)のこと。精油ネロリは開花直後の花1トンから、約1kgしか採取できない希少なオイル。ネロリ花水や、甘夏花水には、この精油のネロリが含まれています。



商品の紹介




甘夏花水

無農薬甘夏の花を蒸留して、そのままボトルに詰めました。手作り化粧品の材料に、リネンウォーターに、色々ご利用いただけます。

ネロリ花水

国産オーガニック化粧水。シンプルな成分で、安心してご利用いただけます。
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